ファイルシステムレイアウト

Haiku のファイルシステムの設計は完全に透過的で、ファイルやフォルダーに暗号的でない名前を使うよう常に努力しています。システムが正しく機能するために重要なファイルやフォルダーについては、次のような警告を表示して不慮の操作からそれらを保護します:

achtung-user.png  achtung-system.png

システム階層下のファイルやフォルダーをリネームまたは削除しようとすると、第二の警告が表示されます。"名前を変更 (Rename)" ボタンは SHIFT キーを押している間だけクリックできます。

通常、ブートボリュームのルートフォルダーから、次の 2 つのフォルダーが枝分かれしています。

/boot/system/ システムファイルおよびすべてのユーザーが共有するアプリケーション / パッケージを含んでいます。
/boot/home/ これは、ユーザーの個人フォルダーで、ユーザーのデータ、設定、およびほかのユーザーと共有しないアプリケーション / パッケージを保存します。

Haiku がマルチユーザーに対応していない限り、共有と共有でないアプリケーション / パッケージの区別は明確な影響を及ぼしません。1 つのホームフォルダーを持つたった 1 人のユーザーしかいないからです。しかし、いつかは複数ユーザーのサポートが行われるので、最初から正しい方法を学ぶのは意味のあることです。

index システムフォルダー - /boot/system/

Haiku の前身である BeOS では、このフォルダーは /boot/beos/ と名付けられていました。まだその名称をいくつかの古いドキュメント (たとえば、オリジナルの BeBook) 中に見ることがあるでしょう。
/boot/system/ 内のほとんどのフォルダーは読み取り専用です。それは理にかなったことです。なぜなら、それらは Haiku が正常に動作するために必要なファイルを含んでおり、そのために、(不慮の) 変更から安全である必要があるからです。フォルダーの書き込み禁止を示すために、その Tracker ウインドウは灰色の背景です。ユーザーが書き込めるフォルダーは下のものだけです。

/boot/system/cache/ キャッシュファイルや、/tmp/ にリンクされた一時フォルダーを含みます。
/boot/system/non-packaged/ .hpkg の一部でない (おそらく古い BeOS アーカイブ由来の) ファイル用のフォルダー階層を含みます。
/boot/system/packages/ Haiku のシステムパッケージを含むだけでなく、すべてのユーザーで共有するパッケージをユーザーが追加 / 削除できます。
/boot/system/settings/ システム全体の設定を含みます。
/boot/system/var/ Syslog (トラブルシューティングの際に重要となります) のようなログを含み、またスワップファイルの標準の置き場所です。

packages および non-packaged フォルダーについて詳しくは、アプリケーションのトピックを参照ください。

index ホームフォルダー - /boot/home/

このフォルダーはユーザーの所有物です。ここには、ユーザーが好きなだけファイルやフォルダーを作成できます (ところで、チルダ ("~") はユーザーのホームフォルダーへのショートカットです。そのため、ターミナル内で常に "/boot/home/" と書く必要はありません)。
将来のマルチユーザー環境では、ほかのユーザーと共有するファイルは、/boot/home/ 以外に置く必要があります。たとえば、/boot/all-users/ というフォルダーを作って、そこにファイルを置けるでしょう。

~/Desktop/  デスクトップのファイルを保持しています。~/Desktop/ はダブルクリックしても開きません。なぜならすでに見えているからです。ユーザーのファイルが開いたウィンドウで隠れている場合、別のワークスペースにすばやく切り替えてください。もちろん右クリックでドリルダウンもできます。
~/mail/  メールファイルの標準の置き場所です。
~/people/  連絡先ファイルの標準の置き場所です。People を参照ください。
~/queries/  クエリがここに保存されます。標準では 7 日間仮保存されます。

/boot/home/config/ フォルダーは特別です。/boot/system/ のように、そのほとんどはパッケージ管理のコントロール下にあり、したがって読み取り専用です。ここでも、書き込み禁止フォルダーの Tracker ウィンドウは灰色の背景です。さらにそこにはユーザーが書き込める以下の同様なフォルダーがあります:

~/config/packages/  ここに、ほかのユーザーと共有しないパッケージを追加 / 削除できます。
~/config/non-packaged/  .hpkg の一部でなく (おそらく古い BeOS アーカイブ由来)、ほかのユーザーと共有しないファイル用のフォルダー階層を含みます。
~/config/settings/  このフォルダーは、すべてのアプリケーションの設定と、システムに関する 2、3 の設定を含んでいます。特有のサブフォルダー内で設定を管理するアプリケーションと、単に設定ファイルをそこに置くだけのアプリケーションがあります。

packages および non-packaged フォルダーについて詳しくは、アプリケーションのトピックを参照ください。

~/config/settings/ 内には以下のより興味深いいくつかのフォルダーがあります:

boot/  このフォルダーにはシステムのブート前またはシャットダウン後に実行されるユーザースクリプトが置かれます。
boot/launch/  このフォルダー下にあるプログラムやドキュメントへのリンクは、ブートごとに自動で起動します。
beos_mime/  この MIME データベースで、Haiku はすべてのファイルタイプとそれらの設定を管理します。
deskbar/menu/  このフォルダーに、ファイル / フォルダー / クエリをコピーまたはリンクすると、Deskbar menu 内に表示されます。
kernel/drivers/  興味を引きそうなひとつの設定ファイルがあります。 kernel は、SMP を無効にする、シリアルデバッグを有効にする、あるいは高度な電源管理を可能にするなどの低レベルな設定を提供します。コメント記号 "#" を削除すると、設定行が有効になります。このファイル内では慎重になってください!
Tracker/  ここには、Tracker 用のさまざまな設定ファイルに加え、興味を引くサブフォルダーがいくつかあります。
DefaultFolderTemplate/すべての属性とウィンドウサイズを好きなように表示、アレンジできます。作成されるすべての新規フォルダーがテンプレートとしてそれを使用します。
DefaultQueryTemplates/特定のファイルタイプ用の、クエリ結果ウィンドウのレイアウトを定義できます。トピッククエリ: 結果ウィンドウを参照してください。
Go/たとえば、読込 / 保存パネルでリンクを利用する目的で、このフォルダー内にお気に入りの場所へのリンクを置きます。トピック Haiku の GUI: Favorites および Recent フォルダーを参照してください。
Tracker New Template/Tracker の File | New... メニューから利用可能な任意のファイルタイプ用テンプレートを追加します。トピック Tracker: ファイル操作 を参照してください。